コラム

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2021-10-23

生活支援制度 ~新型コロナ禍の主な支援制度(対象:学生)

市ノ川 一夫

新型コロナウイルスの影響で、生活に困っている学生への支援制度について

 

第1回 困っていたら遠慮せず、すぐに相談を!
~新型コロナ禍の主な支援制度

衝撃的なニュースが飛び込んできた。昨年2020年度の、国立大学の学部生の自殺率が過去6年の調査で最多となったらしい。
「オンライン授業が導入され友人と交流する機会が減ったことや、アルバイトがなくなって経済的に困窮するなど自殺のリスクを高める要因が重なった」と指摘する。

 

令和2年度からスタートした【高等教育の修学支援新制度】をはじめとした新型コロナウイルス感染症の影響で、学びの継続が困難となっている学生・生徒の皆さまに関係する経済的支援制度についてご紹介します。
学びの継続のため、是非一度ご覧いただき支援制度の利用を検討してください。

 

社会保障制度のコラムでも述べたように、社会保障は社会のセーフティーネット(安全網)の役割を担っています。そして、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と、日本国憲法第25条に「国民の生存権、国の社会保障的義務」として明記されています。
これから何度でも言いますが、まず知るということが大切。そして、知るだけではなく、遠慮なく相談することが大切です。皆さんが有する権利なのです。支援することは国の義務なのですから、躊躇せずに、勇気をだして問い合わせしてみてほしい。

 

今、困っている学生の皆様はまず、学校に相談してほしい。
また、すでにご存知のかたもいるかもしれないが、ソーシャルワーカーを頼ってみてほしい。

 

キャンパスソーシャルワークネットワーク(CSW)の作成した紹介動画はこちら

https://sites.google.com/site/campussw/
メールアドレス campusswnet@gmail.com

 

※ソーシャルワーカーとは

障害や病気、または周囲の環境的な問題によって、日常生活を送る上で支障を伴ったり困難を抱えていたりする人々へ、相談援助を行う人のことです。実際に生活上の問題を抱えている方に対してお話をお聞きし、使える支援やサービスがある場合には、その情報をお伝えしたり、活用できるように支援します。

 
生活支援
 
 

さて、前置きが長くなりましたが、第1回のテーマは、新型コロナ禍における学生の方を対象とする国の支援制度を4つご紹介します。なお、他にもある支援制度は別途ご紹介していきます。

 

  1. 在学中の皆さんへ
    → 「学びの継続」のための「学生支援緊急給付金」
  2. 在学中、または進学を考えている皆さんへ
    → 高等教育の修学支援新制度
  3. 内定を取り消されそう、取り消された方には
    → 新卒内定取り消し等特別相談窓口のご案内
  4. 「生活福祉資金の特例貸付(緊急小口資金)」
    → お住いの市区町村社会福祉協議会

 
 

(1)「学びの継続」のための「学生支援緊急給付金」

新型コロナ禍の影響で、世帯収入の減収やアルバイト収入の激減、中止などで大学などでの修学継続が困難になっている学生を対象に、給付金を支給する制度です。
給付額は、住民税非課税世帯の学生は、20万円、それ以外の学生は10万円です。
資格要件をみたしているかどうか、申請期限については、下記HPで必ず確認してください。
 

「学びの継続」のための「学生支援緊急給付金」

https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/mext_00686.html
 
 

(2)高等教育の修学支援新制度(給付型奨学金と授業料等免除)

本制度は、下記の2つの支援がセットになった制度ですので、安心して大学や専門学校などで学ぶことができます。
 

  1. ① 授業料・入学金の免除、または減額(授業料免除)
  2. ② 給付型奨学金の支給

 

新型コロナの影響を受けた学生等の経済支援・高等教育の修学支援新制度(給付型奨学金と授業料等免除)

https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/benefit/index.html
 
支援金額は、世帯収入の程度や進学先の学校の種類(大学か、短期大学か、高等専門学校か)、自宅から通うか、一人暮らしか、などによって異なります。
 

(ケース1)私立大学に自宅から通う場合
→ 給付型奨学金:約91万円、入学金上限:約26万円、授業料上限:約70万
(ケース2)私立専門学校に自宅から通う場合
→ 給付型奨学金:約46万円、入学金上限:約16万円、授業料上限:約59万円

 

より詳細は、政府広報オンライン「高等教育の修学支援新制度」で確認してみてください。
「進学資金シミュレーター」もあるので、ぜひ保護者と一緒に見て、考えてみてほしい。
 

学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度

https://www.mext.go.jp/kyufu/index.htm

 
 

(3)新卒内定取り消し等特別相談窓口の案内

新型コロナ禍の影響で内定の取り消しや入社時期の繰り下げにあった方への特別相談窓口を、全国56か所の新卒応援ハローワークに設置して相談に対応しています。
相談窓口での支援内容としては、以下の内容が多いです。
 

  1. 内定が取消されてしまいそうな時
    → 取消回避に向けて企業に働きかけてくれます
  2. 内定が取り消されてしまった
    → 早く新たな就職先を決定できるよう支援します
  3. 就職活動に自身・意欲を失くしてしまったとき
    → 臨床心理士などの支援で心理的サポートやサイドの就職活動に向けて、ご本人の状況やご希望を伺いながら支援します

 
なお、ご相談は来所しなくても電話で相談できます。
新卒応援ハローワークの所在地、連絡先はこちらです。
 

新卒応援ハローワーク一覧

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184061.html

 

また、新型コロナ禍の影響による休業や失業などによって、収入が減少し生活資金に悩んでいる方へ、当座の生活のための緊急かつ一時的な生活費を<貸与>する制度で、

 

(4)生活福祉資金の特例貸付(緊急小口資金)

という制度もあります。
実家からの仕送り減少等で生活が厳しくなった学生も対象となります。

 

新型コロナの影響を受けた学生等の経済支援・生活福祉資金の特例貸付(緊急小口資金)

https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/benefit/index.html

 

手続き方法は、お住いお近くの市区町村社会福祉協議会のホームページで確認を。
お電話で取り扱いを確認できます。
 

全国福祉協議会のホームページはこちら

https://www.shakyo.or.jp/network/kenshakyo/index.html

 

ちなみに私が住んでいる横浜市の管轄は

神奈川県社会福祉協議会 TEL.045-534-3791

です。

 
 
次回は、働く方々への支援制度についてご紹介します。
(本コラムの情報は、2021年10月現在のものです)